募集要項に記載された、応募資格は『容姿端麗』という条件。
これ、なんの募集要項かわかりますか?
昔のJALの客室乗務員募集でも、昭和初期の資生堂の何かでもありません。
令和の、今、現在の募集要項です。
さあ、なんでしょうか?
答えはこれ(↓)
2021年度の『宝塚音楽学校』生徒募集の、応募資格に記載されていた条件です。
応募資格はこの
①容姿端麗で、卒業後に宝塚歌劇団生徒として舞台人に適する方
というのと
②中学・高校卒業または高校在学中の方で2002年4月2日から2006年4月1日までに生まれた女子
という2つだけです。
残念ながら男子は受けられず(^^;)、年齢制限も厳しいので受験回数は最大4回だけ!です。
ここで、ご存じない方のためにちょっと説明すると、『宝塚音楽学校』とは兵庫県宝塚市にある音楽学校で、タカラジェンヌが生まれるところです。
タカラジェンヌとは宝塚歌劇団の団員さんたちに対する愛称で、約400人ほどの団員さんたちが現在、活躍されています。
元タカラジェンヌとして有名なのは、大地真央さん、真矢ミキさん、天海祐希さん、壇れいさん等々・・・あげたらキリがありません。
宝塚音楽学校を卒業して歌劇団の団員になるのですが、この学校を卒業する以外にタカラジェンヌになる道はなく(入団の段階での一般のオーディションはない)、宝塚の舞台に立ちたければ、絶対に宝塚音楽学校に入らなくちゃならない。
宝塚音楽学校はそういうところです。
冬が近づくと、わたしがよく利用する阪急電車沿線では、駅の構内にハイキングなどのチラシと一緒に生徒募集のチラシが置かれます。
*生活に溶け込むタカラヅカ
このチラシがあっても自分には関係ないので、季節のお便りとして『もうすぐ冬だな~』くらいで、手に取らずにスルーしていました。
でも今年は何気なく手に取り、裏の応募要項をみたところ『容姿端麗』の文字が!
一昔前は、企業でもこうした募集要項はあったんでしょうが、今は法律も整備され、容姿はおろか年齢や性別も募集要項に記載するのはNGになってますもんね。
ここで容姿に言及するなんて差別だなんだとうるさいことをいうつもりは全くなく(なんといっても舞台人を養成する学校ですから姿は大切でしょう)、『いや~、珍しい文字をみさせてもらいました!』という素直に驚きました。
ついでに『容姿端麗』という条件についても考えてしまいました。
容姿端麗とは、顔の形や姿が整っていることをいいます。
宝塚を受ける人たちは、やっぱり自分が『容姿端麗』だと思って受けるんでしょうか。
第1次(面接だけ)で落ちたら、『容姿端麗じゃないから、きっと落ちたんだ』『だから、歌唱や舞踊をみてもらう(2次)ところまで、進めなかったんだ』
と思うんでしょうか。
宝塚はたまに、ふらっと受験して合格する人もいるようですが、たぶん、そういう人は少数派。
本気で入りたいと思っている子は、小学生のうちからバレエを本格的に習ったり、中学生になったら歌唱も習ったり、宝塚受験用の塾(関西にはあるんです。東京にもあったような)に行ったり、と入念に準備します。
うちの近所では、『子供を宝塚(音楽学校)に入れるには、山を一つ売らなきゃいけない』と、まことしやかに囁かれているほど。
それほど、入学前も入学後も、さらには団員になった後も、レッスンだなんだとお金がかかるという話が、まことしやかにウワサされています。
そんな風に入念に(親が)お金をかけて準備しても、最初の面接で落ちたら・・・そりゃ本人はショックでしょうね。
気を取り直して再受験するにしても、年齢制限があるからカウントダウンされているようで、焦りますよね。
でもきっと、学校に入ってからも入団してからも、競争、競争だろうし、精神的にタフでないとやっていけないんでしょうね。
音楽学校の競争試験は、そのファーストステップなんでしょうね。
*書店には募集要項『ご予約承り中!』の文字が。
最後に、街中でたまに見かける音楽学校の制服を着た学生さんの様子から、『容姿端麗』についての私なりの解釈を一つ。
容姿端麗とは、単に顔が人形みたいに可愛いとか、女優顔というのではなく、全身から清々しい感じ、鍛えられていて無駄や乱れがない様子であると思います。
しっかりした精神性が姿に表れる、そんな感じでしょうか。
わたしも、『職場でおやつを食べたり、家でダラダラしてないで、居住まいを正して容姿端麗を目指そう』と宝塚音楽学校の募集要項をみて思ったのでした。
*地元の書店で売っていた宝塚音楽学校の願書(昨年分)です。
今回も、最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
急に寒くなりましたが、あったかくしてくださいね。
ではでは