日本では数少ない依存症治療の専門家
精神科医の松本俊彦先生の本を
読み終わったので感想を書きます✨
なんとこの本、依存症関係では珍しい
中・高校生向けに書かれた本なんです✨
ティーン用ではありますが
大人にもとっても分かりやすく
共感できる本です。
親世代の人や学校の先生も
得るものは多い内容です。
スマホ依存や薬物依存など
依存関係に興味ある方はぜひ!
まさか中学生向けとは!
松本先生の本はこれまでも何冊か読んでます。
どの本もとても読みやすかったので、
今回の本もとりあえず押さえておこうと
何も考えずに購入したのですが、
読み始めてびっくり😳
なんと!
中・高校生向けに書かれた本でした。
河出書房新社の『14歳の世渡り術』シリーズの1冊なんです。
副題も『やめられないのは誰かのせい?』
と、思春期真っ只中の
中高生に向けたっぽいものです。
帯も『なぜ”ハマる”のか?
どんなふうに”治っていく”のか?』
とわかりやすい。
そうそう、そこが知りたいのよ
それにしても
依存症ではアルコールや薬物依存は
外せない内容ですが、
今まで特に薬物依存については
臭いものにフタ的な感じで
学校も行政関係も
中高生の目には触れないように
していたイメージでした。
薬物乱用防止キャンペーンも
いまだに『ダメ。ゼッタイ。』で
中高生が応募する
ポスター・コンクールの上位作には
ガイコツや悪魔っぽいおどろおどろしい
デザインが並んでいる現状。
薬物依存に関する知識を伝える前に
とにかく中高生が近づかないようにしている
というのが私のイメージです。
表紙には薬物を沢山背負ったねずみちゃん/
でも、自分が何かの物質や行為に依存してしまったり、家族や友達など親しい人が依存することになったら、どうする?
自分のお父さんやお母さんがアル中だったら
やっぱり隠さないと恥ずかしい?
依存症になったのは、その人の自己責任だから
仕方ない?
依存症になったら、その人の人生はそれで
終わっちゃう?
そういうことを正面から、考えさせてくれる本です。
薬物だけでなくスマホ依存や自傷行為も
この本では著者のタバコやゲーム依存の経験、さらには薬物依存と思われる友達を亡くした話なども交えながら、語り口調で分かりやすく依存症について教えてくれます。
かといって、内容が薄いわけでありません。
依存症の専門的な内容も
ちゃんと、さりげなく入っています。
また、著者の他の本もそうですが
依存の背景というか、根っこにあるもの、
治療の着地点までしっかり書かれています。
帯にも『どんなふうに治っていくのか?』
と書かれているくらいですか✨
事例がメインですが、依存症の仕組みと歴史
さらには、モッツァレラ学園中等部2年の女子の
お悩み相談なども入っています。
などなど。
ティーンはもちろん
大人でも十分ありそうな依存対象です。
大人でも多いと思います。
市販薬、処方薬依存もよくあるよね
ちなみに私はコーヒーを多く飲みがち。
イライラすると甘いものも食べがち。
コントロールが効かない
カフェイン依存、スイーツ依存になる前に
気をつけなくちゃ💧
ビール依存?のねずみちゃん/
依存しやすい人、依存しにくい人
スマホは今やほとんどの人が使っています。
エナジードリンクも、1度は飲んだことがある人は多いんじゃないかな?
私も運転中、眠気がきそうな時に、何度か飲んだことがあります。
そんなみんながやっている、使っているものを
みんなと同じようにやったり、使ったりしていく中で、なぜ、一部の人だけが
『依存症』=『脳がハイジャックされた状態』
(=コントロールが効かない状態)にまでなるのか?
個人的にもとても気になるところです。
例外は沢山あるけれども、傾向としては
薬物によるドーパミンを体験しても、その快感にそれほど魅力を感じない人がいます。
それは、これまでの人生で天然のドーパミンの心地よさをたくさん体験した人です。
子どもの頃からいっぱいほめられて育った人は、薬物の力で得る快感よりも、しかるべき苦労のプロセスを経て人から認められる方がいいな、と思えるのです。
ところが、人からほめられたり認められたりした経験があまりなく、何をやってもダメ出しをされてきた人は、天然のドーパミンの心地よさを十分に経験していません。
その場合、どうしても薬物によって得られたドーパミンの衝撃に屈しやすくなります。
もっともっとと、その薬物をくり返し求めるようになるのです。
*『世界一やさしい依存症入門』(P.72)から引用
これは本当に例外も多くて
以前、お会いした薬物依存症の人の中にも
多分、親は精一杯愛情を注いだんだろうな
と思われる人も何人もいらっしゃいました。
でも、傾向としてはそうなんだろうと思います。
また、成功体験も多く、天然のドーパミンによる快感をたくさん経験していても、
凶悪な犯罪や性暴力の被害に遭うなどのあまりにもつらい経験は、天然のドーパミンで培ってきた報酬系のメカニズムを一瞬で壊してしまうのです。
悲しいことではありますが、そのような経験をした人が薬物によるドーパミンを体験すると、短期間で依存症になってしまうことがあります。
*『世界一やさしい依存症入門』(P.74)から引用
自然災害や戦争なんかも
そうした経験なんでしょうね。
依存(アディクション)の反対は、つながり(コネクション)
私が好きな言葉に
『アディクション(依存)の反対はシラフではなく
コネクション(つながり)』
というのがあります。
有名な言葉で、あちこちで見かけるのですが
この本にも載ってました✨
元ネタはこれまで知らなかったのですが
イギリスの作家でジャーナリストの
ジョハン・ハリさんの言葉だそうです。
また、小児科医の熊谷晋一郎先生の言葉で
『自立とは依存先を増やすことである』
というのも載ってました✨
自立というと、一人でなんでもできるようになる
イメージですが、そんなことは到底無理なのを前提にした、いい言葉だと思います。
有名な楽園ネズミと植民地ネズミの実験/
ストレスフルな、あるいは自分の価値が見出せないなど、癒されない満たされない環境の中で、自分一人で痛みを抱え続け、薬物使用やゲームプレイなど一時的な行為で、その場をしのぎながら暮らす。
そんな中で、コントロールが効かなくなって生活が破綻してしまう。
そんな依存症の人の治療に必要なのは
痛みを一人で抱え続けなくていい状況。
援助を求められる先であったり、
ちょっとした相談ができる人であったり
いろいろでしょうが、
『つながり』といわれているもので
そのつながりを多くつくり
自分が居心地いい状況を作りだすことが
自立なんだろうなと、解釈してます☺️
おわりに
『世界一やさしい依存症入門』は
ティーン向けに書かれた本です。
でも、対象が違法ではないだけで
スマホやゲーム、市販薬、処方薬などを
手放したくても手羽なせなくて
困っている人は沢山いると思います。
依存という問題は、意外と身近にあるんじゃないかな。
かくいう私も、どちらかというと依存症傾向が強いほう。
生活が破綻するまではいってないですが
甘いもののコントロールには
今、とっても手こずってます💦
この本は、そうした人や、周囲の人
例えば、ご家族とか学校の先生とかが
読むといいんじゃないかなと思います。
依存のメカニズムがすっと入ってきて
『ダメダメな私でもええやん』
『これからぼちぼちやっていけばいいやん』
となぜか落ち着けました。
依存関係は、興味ない人は全くないと思いますが、
興味があれば『世界一やさしい依存症入門』は
多角的に理解するのにおすすめです♪
長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
松本先生の他の本でおすすめはこちら↓
新書とは思えない濃い内容でわかりやすいです。
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