内館牧子著の老人シリーズ第4弾『老害の人』を読み終わりました!
忘れないうちに感想を書きます。
簡単に感想をまとめると、セリフやディテールが超面白い小説です♪
私は電車の中で読んでいたら何度も吹き出しそうになり、肩を震わせて耐えるヤバイ人になってました😅
面白いだけでなく、ちょっとホロっとするところもあり。
最後の方は個人的には、ちょっと『そんなに上手く行くかな?』という展開ではありましたが、その分、読後感はよかったです。
コロナの状況も反映しており、旬な小説なのは間違いないと思います🤭
♪イラストもインパクト大♪
高齢者シリーズ第4弾!
内館牧子の高齢者シリーズ
『終わった人』
『すぐ死ぬんだから』
『今度生まれたら』
大人気作に続く第4弾です。
前の3作も面白かったのですが、今回の『老害の人』もなかなかのもの。
ストーリーは、双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・福太郎が主人公です。
福太郎は娘婿に社長の座を譲った後も、『経営戦略室長』という現役感ある肩書きと部屋をもらい、周りに鬱陶しがられても会社に出社します。
『老害の人』はそんな福太郎と仲間達の群像劇っぽいお話。
みんな80代、というか90歳に近い人たちで、途中で加入する『若いメンバー』も79歳だったりします😅
福太郎もそのお仲間も、昔話に説教、孫自慢、病気自慢に趣味の講釈、さらにはクレーマーと
みんなかなりな老害っぷり。
そんな彼らが、識者が進めるような『趣味を楽しむ』的老後に収まりきらず、『居場所のない老人のために』自分たちがスタッフとなり、サロンを作ってしまいます。
80代なのにサロンの名前は『若鮎(わかあゆ)サロン』。
どこをつついたら、そんな名前が出てくるのか。。。(笑)
しかも周りに図々しく、自分達のことを『若鮎さん』と呼ぶことを強要します😆
♪まさに『迷惑なの!』と言われても♪
会話やディテールがとっても楽しい
まあ、そんな設定も面白いのですが、この本、なんといっても面白いのは、ちょっとした会話やコロナの影響を受けていく生活の様子の描写です。
福太郎たち若鮎さんが、サロンをオープンしようとしても、コロナの緊急事態宣言で何度も延期。
人生の残り時間をカウントしている老人たちは、なかなかモチベーションが続きにくかったりします。
そういえば、コロナの緊急事態宣言は、特に最初の方は娘の通っていた小学校が休校になったり、本当にバタバタで振り回された感があり、大変だったな〜と思い出しました。
そしてさすが内館さん。
会話や描写はとても面白く、辛辣なものが多いのですが、特に印象に残ったのがこちら。
亡くなった仲間のことをみんなで話しているシーンです。
『確かにな、人がこの世で生きるのはホントに短いよな。一瞬の夢。年とるとわかる。昔のことは全部夢だった気がする』
* 『老害の人』P.330から引用
私は今、アラフィフです。
大学を出て就職したての頃や、さらには小学生だった頃も、遠い昔の気もすれば、つい最近のような気もします。
いや、あっという間だった感じが強いのかな。
そんなことを考えていると、『全部夢だった』気もします。
改めて昔のことを思い出すと、ホント不思議な感覚です。
アラフィフだからそう思うのではなく、90歳でもそんな『あっという間』なんだ。
いや、今後老いを迎えるにあたって、勉強になります🤔
おわりに
ストーリーは、サロンの運営が軌道に乗っていくところで終わります。
現実には、90歳近い人たちだけで運営する、というのは、あまり(というか、ほとんど)ないんでしょうが、この本に出てくるパワフルでクセが強い人たちなら『できるかも』と思ってしまうところがコワい。
いや、現実の高齢者たちも、それぞれクセ強だから、けっこう現実の話としてありかも。
なんて思います😆
体が弱り、頭のキレが昔のようにいかなくても、老人扱いされたり、反対に子供のような扱いをされたり、まあいわゆる社会的弱者として扱われるのが嫌なのは、もうすぐ80歳になる私の両親を見ていても、よ〜くわかります。
そんな老人たちや彼らを囲む若い世代のことが、面白おかしく、ちょっとだけしんみり描かれているこの本。
最初にも書きましたが、セリフや描写がとっても面白いので、電車の中やスターバックスで読むときは、思わず吹き出さないように要注意ですよ♪
ではでは
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♪以下、内館さんの高齢者シリーズ♪