
ちょっと待って、三部作で完結!?
読み終わりました、『成瀬は都を駆け抜ける』。
これでシリーズ完結だそうですが、正直に言います。めっちゃ寂しい!
だって、三部作で完結なんて知らなかったんだもん。勝手にシリーズはずっと続くと思い込んでいたし、成瀬が大学生になり、社会人になり、なんなら政治家デビューして国会で『200歳まで生きます』とか言い出すんじゃないかと、本気で期待していたくらいなんですから(笑)。
もう成瀬に会えない。
この喪失感、なんと表現したらいいのでしょう。優れた物語との別れは、いつもこんなふうに心にぽっかり穴を開けていきますね。

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今回は『母親視点』でも読んでしまった私
前2作と同様、今回も成瀬の友達関係がうらやましくて、うらやましくて✨
あの成瀬を中心とした、温かくて、それぞれが自分らしくいられる人の輪。ああ、私も加わりたい。おばちゃんだけど、入れて〜。そう思いながらページをめくるのは、もはや恒例行事でした。
今回は成瀬が京都大学に進学してからのお話で、島崎の出番は少ないけど(最後に活躍する)、簿記系ユーチューバーのぼきののかや、京大達磨研究会といったキャラ強めなニューフェースが続々と出てきます。
成瀬という強力な磁石に引き寄せられるかのように、みんな集まってくるのよね。
でも今回は、それだけじゃなかったんです。
母親として、成瀬のお母さんに注目してしまいました。
50代シングルマザーとして、高校生の娘を育てている身として。そして、公認心理士・臨床心理士として、日々さまざまな親子と向き合っている立場として。
成瀬というキャラクターを、これまでとは違う角度から見つめている自分がいました。

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『育てづらい子』を育てるということ
成瀬って、冷静に考えると、かなり変わった子なんですよね。
200歳まで生きると本気で言う。愛想はない。独特のマイペースさがある。頭はものすごくいいけれど、リアルにこんな子がいたら、親としては『どう接したらいいの?』と戸惑う場面も多いんじゃないかと思うんです。
手はかからないけど、発想が独特でいわゆる『育てやすい子』ではない。むしろ『育てづらい』と感じる親御さんもいるかもしれない。
でも、成瀬のお母さんは、そんな成瀬を『そういう子なので』と受け入れ、受け止めて、見守ってきた。
この一言の重み。
『成瀬は都を駆け抜ける』では、地元ローカル局のインタビューでお母さんが成瀬について話をする場面があって出てきます。成瀬は
そういう子だって認めてくれているとわかったから、(小学校の)卒業文集にも『二百歳まで生きる』と書けた。
といいます。
心理職として、日々たくさんの親子の悩みに寄り添う中で、私はこの『受容』がどれほど難しく、そしてどれほど大切かを痛感しています。
『あかり』という名前に込められた願い
成瀬の名前は『あかり』。
『まわりを明るく照らす子になるように』という願いを込めてあかりと名付けられたんだ
と、終盤で成瀬は島崎に語ります。
この名前の由来を知ったとき、じーんときました。
成瀬は確かに、周りを照らしています。彼女の存在そのものが、友達を、出会う人々を、読者である私たちを照らしています。
でもそれは、お母さんが成瀬という『光』をそのまま受け止め、消さず、歪めず、育ててきたからこそ。
子どもが持っている光を信じて、その子らしさを尊重すること。
簡単なようで、本当に難しい。
特に、周りと違う個性を持つ子、いわゆる『扱いにくい』と言われがちな子を育てるとき、親はどうしても『普通に』『みんなと同じように』と願ってしまいがちです。それは愛情ゆえなんですけどね。
でも、成瀬のお母さんは違った。成瀬を成瀬のまま受け入れた。
その結果、成瀬は周りを照らす『あかり』になった。
母として、心理職として感じたこと
この物語を読みながら、私は自分自身の子育ても振り返っていました。
娘が高校生になった今でも、シングルマザーとして、仕事と家庭を両立しながら、『これでいいのかな』と不安になることは多々あります。
でも、成瀬のお母さんの姿勢から学びたい。
『そういう子なので』という受容の力。
これは、諦めではなく、信頼なんですよね。その子の個性を信じ、その子のペースを尊重し、その子らしく生きることを応援する姿勢。
成瀬のお母さんは、それを静かに、当たり前のように実践していました。
成瀬の友達関係がうらやましいと書きましたが、実はこれって、私たち読者も同じなんじゃないかと思うんです。
この三部作を通して、私たちは成瀬に照らされてきました。成瀬の真っ直ぐさに、マイペースさに、優しさに。そして、成瀬を受け入れたお母さんに。
三部作は完結してしまったけれど、成瀬から受け取った光は消えません。
さよなら、成瀬。
ありがとう、成瀬。
もう成瀬の新しい物語は読めないけれど、それでいいのかもしれません。
優れた物語は、完結したあとも読者の心の中で生き続けます。成瀬は、私たちの中で、これからも都を駆け抜け続けるでしょう。
三部作、もしまだ読んでいない方がいたら、ぜひ最初から読んでみてください。きっと、あなたも成瀬に照らされるはずです✨
↓12月1日に発売された完結編✨
↓すべてはここから始まった!
記念すべき第1作と
↓第2作



