湊かなえの新作『暁星(あけぼし)』
オーディブル(アマゾン・オーディブル)で2度目を聞いています。
1度聴き終えたのに、もう1回、最初から聴き直しています。
1度目では気がつかなかった伏線が、次々と繋がっていく感じ
登場人物の何気ない一言が、まったく違う意味を帯びて響いてくる感じ
何度も読み返したくなる
これは傑作の条件ではないでしょうか!?
湊かなえさん自身、『29作目にして、一番好きだと自信を持って言える作品が書けました。』とおっしゃってます。
衝撃的な内容だけど、いわゆるイヤミスではない希望のある終わり方で、余韻も読後感もいい感じです。
伏線があちこちにたっぷり張られているので、2周目に入らずにはいられませんでした。
湊かなえの最高傑作と思います✨
- 冒頭から心をつかまれた
- 社会を震撼させたあの事件をモチーフにした意欲作
- 宗教と関わりなく生活している私にも深く刺さった理由
- 2度目で初めてわかる伏線の数々
- オーディブル・ファースト作品
- 2025年は女性作家の素晴らしい作品に出会えました

冒頭から心をつかまれた
物語は青年が演説をする政治家に話しかけ、警備の人に静止されるシーンから始まります。
そして、文部科学大臣が舞台上で、主人公の青年に首を刺されて死ぬ・・・。
この冒頭で、完全に心をつかまれました。
ページを(いや、オーディブルだから耳を?)離すことができなくなりました。
主人公は2人。
大臣を刺殺した宗教2世の男性と、やはり宗教2世である作家の女性。
小さい頃から、お母さんが同じ新興宗教を信じていることもあり、人生の節々で数回(6回?)接する2人。
2つの視点から、物語は複雑に、そして鮮やかに展開していきます。
社会を震撼させたあの事件をモチーフにした意欲作
ネタバレになるので、ストーリーは詳しくは書きませんが、Amazonのホームページから引用すると、こんな感じです↓
「ただ、星を守りたかっただけー」
現役の文部科学大臣で文壇の大御所作家でもある清水義之が全国高校生総合文化祭の式典の最中、舞台袖から飛び出してきた男に刺されて死亡する事件がおきた。
逮捕された男の名前は永瀬暁、37歳。
永瀬は逮捕されたのち、週刊誌に手記を発表しはじめる。
そこには、清水が深く関わっているとされる新興宗教に対する恨みが綴られていた。
また、式典に出席していた作家は、永瀬の事件を小説として描く。
ノンフィクションとフィクション、ふたつの物語が合わさったとき見える景色とは⁉
テーマは、あの社会に衝撃を与えた安倍元総理銃撃事件を彷彿とさせる宗教2世の問題です。
銃撃事件は、今、まさに公判が続いている事件。
物語を読んでいると、ニュース報道が重なり、ニュース報道を見るとこの物語が重なってしまいます。
もちろん、この作品は実際に起きた事件とは別物。
別物として読むべきでしょう。
それでもこのテーマを選び、真正面から向き合うのはとても勇気がいることだったろうなと思います。
このことからしても意欲作であることは明らかでしょう。
宗教と関わりなく生活している私にも深く刺さった理由
私は普段、宗教とほぼ関わりなく生活しています。
お盆にお坊さんに家に来てもらったり、シーズン毎に雑草を抜きにお墓参りをするくらいかな?
そういう人は多いと思います。
それなのに、この宗教2世が主人公の物語は深く心に刺さりました。
なぜか。
宗教2世という特殊な境遇の主人公の話ではあるけれど、そこに描かれているのは親子関係であり、周囲の人との関係であり、自分とは何かという普遍的な問いだからだと思います。
親の期待と自分の意思のはざまで揺れる葛藤。
周囲の『普通』に馴染めない孤独。
自分の人生を取り戻そうともがく姿。
過酷な状況の中で支え合おうとする姿。
いろいろなところで自分との接点がある、重なる部分があると感じました。
だから、登場人物に深く共感しながら読めたのだと思います。
2度目で初めてわかる伏線の数々
この作品の構成は少し複雑です。
前半は男性主人公視点で手記=ノンフィクションとして、後半は女性主人公視点で小説=フィクションとして、物語が進行します。
同じ時間軸を過ごし、たまに巡り合って共有体験もある2人の視点が、ノンフィクションとフィクションで重なり合います。
ちょっと複雑そうでしょ?
1度目に聴いた時は、物語に圧倒されて夢中で聴きました。
でも、物語の伏線やその奥にあるであろう意味を発見できていない部分が多い気がして、今、2周目を聴いています。
すると・・・全く違う景色が見えてきました。
1度目に気がつかなかった言葉の裏。
何気ないシーンに隠された意味。
登場人物の行動の真意。
2周目にして、いろいろなパーツが繋がっていく快感。
何度も読み返したくなり、読むたびに新しい発見がある作品。
そんな作品って傑作って言っていいんじゃない!?
オーディブル・ファースト作品
『暁星(あけぼし)』は、単行本よりオーディブルが先行して配信されるという珍しい形で発表されました。
2025年11月11日にオーディブルで配信が開始され
単行本の発売は11月27日です。
オーディブル作品は、朗読する人の力量がかなり問われます。
この作品は、その点も素晴らしい✨
ナレーションを担当しているのは、声優の櫻井孝宏さんと早見沙織さん。
2人とも割と淡々と読んでいるのですが、それが作品世界に合っています。
一流の声優さんって、ナレーターとしても一流なんだと改めて実感しました✨
文字で読むのとはまた違う、音声だからこその没入感がある。
オーディブル(アマゾン・オーディブル)を使っている人は、今すぐ聴いて!と叫びたい。
オーディブルを使っていない人は、単行本の発売(11月27日)を待って、ぜひ読んでもらいたい✨
2025年は女性作家の素晴らしい作品に出会えました
『暁星』は湊かなえファンや社会派ミステリー好きはもちろん、広くいろんな人に読んでもらいたい作品です。
きっと誰もが、どこかしら自分との接点を見つけ、物語に引き込まれるはずです。
今年はこの『暁星』をはじめ
王谷晶さんの『ババヤガの夜』や
村田沙耶香さんの『世界99』
など、女性作家の衝撃的&素晴らしい作品に出会えました。
50代になっても、読書の楽しみが得られるなんて幸せです✨
みなさんも湊かなえ史上最高傑作の『暁星』、ぜひ、読んでみてください。
単行本は11月27日発売ですよ!
ではでは
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