教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となったベストセラー『スマホ脳』。
日本でもベストセラーになっています。
私も、遅ればせながら読んでみました。
タイトルからすると、科学的な根拠がないまま読む人を怖がらせるタイプの本かな、と警戒していたのですが、全くそんなことはありませんでした。
最新の研究に精通した精神科医アンデシュ・ハンセンさんが、スマホが私たちの脳に与える影響を、生物学的な視点と科学的根拠をあげて分かりやす~く解説。
スマホの悪影響からメンタルを守るためのアドバイスも、ちゃんと書かれていました♪
コロナ禍で、デジタルでのつながりが人との架け橋になっている今だからこそ、あえて読んで欲しい本です。
すでに読んだ方も多いと思いますが、まだの人はぜひ読んでみて♪
では早速、私が『おおっ!』と思った箇所の要約と、本の感想を書いていきます♡
♪本屋では平積みよ♪
私たちは1日に2600回以上スマホに触っている!?マジですか?
今や中学生以上は1人に1台持っているであろうスマホ。
私たちは1日に2600回以上もスマホを触り、平均して10分に1度スマホを手に取っています。
現在、大人は1日に4時間をスマホに費やしている。
マジか?スウェーデンでの平均か?
私は違うぞ。
と思って、スクリーンタイムが計測できるアプリをスマホに入れてみたところ・・・
すみません(--;) 3時間から4時間くらい、毎日触っていました!
通勤時間の往復で2時間は触っているから・・・そうか、そんなにスマホを見ているんことになるんですね。
そんなデジタル浸りな毎日を、私を含めて平均的な人は送っているわけですが、この本『スマホ脳』は人間の脳はデジタル社会に適応していないという内容です。
だって
人類はスマホなしで歴史を作ってきた
地球上に現れてから99.9%の時間を、人間は狩猟と採集をして暮らしてきた。
私たちの脳は、今でも当時の生活様式に最適化されている。脳はこの1万年変化していないーーーそれが現実なのだ。
生物学的にみると、あなたの脳はまだサバンナで暮らしている。
人間の脳は狩猟採集生活に合わせて進化してきています。
なので、急速にデジタル化して大量の情報にさらされている、今の生活に適応できていないんです。
狩猟採集生活で生き残るために必要だった、『睡眠』『運動』『お互いへの欲求』。
こうした欲求を無視し続けると、精神状態が悪くなるのは当たり前です。
でも、年々睡眠時間は減っていて、先進諸国のほとんどで睡眠障害の治療を受ける若者がこの10年で爆発的に増えているのが現状です。
どうやら、スマホに時間を奪われ、ブルーライトに睡眠を妨げされているのが大きく影響しているようなんです。
これまで、あちこちで耳にしてきたことですが『本当なの?』という気持ちもありました。
そのあたりも『スマホ脳』では、わかりやすく説明されています。
ブルーライトはメラトニン(←注:いわゆる睡眠ホルモン)の分泌を抑える特殊な効果がある。
人間の目の中にブルーライトにだけ強く反応する細胞が存在するが、私たちの祖先にとってブルーライトは晴れ渡った空から降ってくるものだったからだ。
この細胞が脳に、「メラトニンを作るのをやめろ」と告げる。
「さあ起きろ、油断せず警戒を怠るな!」
付箋をつけながら読んだら、こんなことに!
なぜ私たちはスマホに惹きつけられるのか
前々から、『スマホの見過ぎはよくない』とは、よく言われていました。
でも、ついつい見ちゃう。1日に2600回も触っちゃう。
悪いんじゃないかと思っているのに、使ってしまう。それはなぜ?
それはスマホが私たちの最新のドラッグだからです!
やばい、やばいですよね。
人間の脳は、新しいものへの欲求があります。
狩猟採集時代から、新しい情報を探して周囲の環境を理解するほど、生き延びられる可能性が高まっていましたから。
それはそれでよかったんですが、今は、昔のように単に新しい場所をみたいという以上の意味を持つようになったんですね。
それはPCやスマホが運んでくる、新しい知識や情報への欲求です。
パソコンやスマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出し、その結果、私たちはクリックが大好きになる。しかも実は、今読んでいるページよりも次のぺージに夢中になっているのだ。
ドーパミンといえば、よく報酬物質と呼ばれていますが、私たちを元気にさせるだけではなく、何に集中するかを選択させる役目もあるそう。
ドーパミンを与えてくれる対象に意識を集中させるのは、生き延びるために大切なこと。
ちょこちょこドーパミンを出してくれるスマホは、10分に1回、触りたくなっちゃいますよね~(^^;)
そして10分に1回スマホを触っていると、リアルな人との社交が失われ、運動時間が奪われ、睡眠時間が減り質も落ちるという悪循環。
ああ・・・。
特に、子供は影響を受けやすい。
注意・思考・感情のコントロールをする前頭葉の発達が子供は未熟だから、報酬を我慢できないし、スマホを触って実際の人間関係の訓練の機会が減ることで、前頭葉の訓練不足になるおそれがあるとか・・・。
う~ん、子育て世代としては心配・・・。
デジタル時代を生きるアドバイス
『スマホ脳』の最後に、ハンセンさんは『デジタル時代を生きるアドバイス』としてスマホに脳をハッキングされず、メンタルの健康を保てるアドバイスを掲載していてくれています。
理にかなったいい内容だと思います。
いくつかあげると
▶自分のスマホ利用時間を知ろう
▶毎日1~2時間、スマホをオフに
▶集中力が必要な作業をするときはスマホを手元に置かず、隣の部屋に置いておこう
▶スマホを寝室に置かない
▶目覚まし時計と腕時計を買おう(スマホでなくてもいい機能は、スマホを使わないようにしよう)
▶<子供と若者へ>教室でスマホは禁止!
そして私が一番大事だと思った
▶どんな運動も脳によい(→運動しよう!)
子どもも大人も運動すれば(週2時間程度でOK)、集中力や情報処理力にいい影響があるんだって♪
『スマホ脳』の感想まとめ
『スマホ脳』、長くなるので書けませんでしたが、メンタルヘルスについても詳しく描かれている部分も多く、人間はマルチタスクが苦手、などの項目もあり、生活するうえでとっても参考になりました。
これまでも『報酬系が~』『ブルーライトが~』とか断片的な、モノによっては本当かどうか分からない情報はよく耳にしていましたが、狩猟採集生活をしていた頃にまでさかのぼって、その頃と変わらない私たちの脳がどのように影響を受けるのか、をかみ砕いで解説してあるものは本書が初めてでした。
よく分かっていないところは、そのように書いてあるところも好感が持てます。
『スマホ脳』、情報量が多いけど、とにかく分かりやすいんです。
それに随所に衝撃的な内容もあり。
子どもに対する影響も書かれていて、子育て世代なら気になるはず。
気になる方は、是非、本書を手に取って欲しいです♪
長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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