お正月休みにミヒャエル・エンデ著『魔法のカクテル』を読みました。
電子書籍として購入し、ブラックフライデー・セールで購入したKindle端末で読んだ初めての小説です。
忘れないうちに小説とKindle端末の感想を書きます!
『魔法のカクテル』ミヒャエル・エンデ作
岩波少年文庫の『魔法のカクテル』をアラフィフのわたしが読もうと思ったきっかけは、大みそかの朝日新聞。
『天声人語』で触れられていたんです。
私は実家で父母&娘と同居しており、新聞はもっぱら高齢の父母が読んでいます。
家に置いてあっても新聞はテレビ欄くらいしか、私は普段は見ません。
しかし、たまたま大みそかに何気なく『天声人語』を読むと、『魔法のカクテル』の話が書いてあったんです。
『魔法のカクテル』の物語は大みそかの午後5時に始まり、年明けまでの話だとか。
これも何かの縁。
時期的にもタイムリー。
ブラックフライデーで買ったKindle端末でも、それまで無料の雑誌しか見ていなかったし、ここらでKindle端末で電子書籍も読んでみたい。
ということで、『魔法のカクテル』電子版を購入しました。
/Kindleの画面はこんな感じ/

ミヒャエル・エンデは、みなさまご存知の『モモ』や『はてしない物語』の作者です。
もうすでに亡くなっている作家です。
この『魔法のカクテル』は、『はてしない物語』から10年ぶりに書かれた小説。
1989年に出版されたあと、ドイツで長い間ベストセラーになったそうです。
『魔法のカクテル』は子ども向けファンタジーらしく、登場人物はほぼ4人と少ない。
登場人物(人物といっていいかはわかりませんが)は、魔術師と魔女と猫とカラス。
ストーリーも至ってシンプルです。
お話は大みそかの午後5時に始まります。
地獄の魔王と結んだ1年分の契約のノルマを果たせず、焦りまくる魔術師と魔女。
このままでは地獄の魔王から罰せられてしまいます。
契約期限の年が明けるまでの残り7時間でなんとかノルマを果たそうと、2人で起死回生の『魔法のカクテル』をつくり出します。
この魔術師と魔女が達成すべき魔王のノルマがなかなかに恐ろしい。
それは、人間界および自然界に大きな厄災をもたらすこと。
たとえば、10種の動物を絶滅させる、5つの河川を汚染させる、新しい疫病を1つ流行らせる、などなどです☠️
『魔法のカクテル』を1杯飲むと、そんな願い事(ノルマ)が1つ必ずかなうという設定です。
2人の話をこっそり聞いた、魔術師と魔女に飼われている猫とカラス(実は魔術師たちの企みを阻止しようと派遣されている)が、魔術師たちの願いを阻止しようと活躍します。
どの登場人(?)物も人のイヤのところや、情けないところがすごく出ていて興味深く、魔術師と魔女、猫とカラスの掛け合いもユーモラスで機知に富んでいて面白いです。
この本全体に、こうした掛け合いや言葉遊びがふんだんに出てきて、『ドイツ語、日本語に翻訳するの大変だったろうな〜』と思います😅
翻訳者さんGood Job!
魔法のカクテルの名称からして『ジゴクアクニンジャネンリキュール』。
これは
★ジゴク
★ゴクアク
★アクニン
★ニンジャ
★ジャネン
★ネンリキ
★リキュール
といった単語の連なり。
一つの言葉の最後が、別の言葉の最初にうつり変わって(重なって)一つの単語になっているんです。

『魔法のカクテル』は、飲んで呪文を唱えると逆のことが起きるものでした。
しかし猫たちの活躍により、逆のことが起きないように、つまり唱えたことと同じようになります。
魔術師と魔女は、森林破壊をしようと
『枯れかけている一万本の森の木を
も一度 元気にしておくれ』
とか
戦争させようと
『戦争を引き起こすために
民族争い、人種争いをあおるやつ
金もう家に 武器で商売するやつ
ぶっつぶしちまえ ひと息に』
と唱えるけど、ぜんぶ唱えたとおりになるという。
『終わりよければ、すべてよし』
猫が歌うところで物語はハッピーエンドです。
この物語、子ども用ではありますが
永遠からみると、悪も最後の最後はつねに善につくすものだということがわかる。
それはいわゆる自己矛盾というやつでね。
悪はつねに善を支配する力を持とうとする。
しかし、悪はじつは善なしには存在できないのだ。
(中略)
永遠なのは善だけだ、なぜなら善は自己矛盾を内包していないからだ
*ミヒャエル・エンデ『魔法のカクテル』から引用
といった哲学っぽいセリフも挟まれています。
きっと私、多分、この話の深さを、まだ理解できていないと思います。
魔術師と魔女が平和や豊な自然、正義を声に出して唱えて、実は、真反対のこと=疫病が流行り戦争が起きること等を望む姿に、わたしは『現在の紛争や環境破壊に対する警告か!?』とも思ったのですが、『訳者あとがき』によると、そうした読み方は『エンデの意に反すことになるでしょう』とのこと。
メルヘンのなかで、十分物語を楽しんでもらうこと。
エンデはなによりもそれを望んでいるのではないでしょうか。
*『魔法のカクテル』訳者あとがきから引用
了解です! 物語、十分楽しみましたとも!
Kindle(キンドル)端末の使い心地
Kindleの使い心地も書きます!
私はエントリーモデルの
こちらを購入 ↑
これで『魔法のカクテル』を読んでみた印象は、思っていた以上に紙感ありです。

色もそうですが、指をタップしたりスライドするとページがめくれるようになっており、文庫本と同じような感覚で読めました。
サイズも文庫サイズです。
重さは軽く(158g)。
持っていても疲れないので、これだと通勤電車の中で立ちながらでもいけそうです。

暗い部屋の中でも(↑)画面がどぎつくない程度にボヤッと光るので読めます。
飛行機の中で読書灯をともさなくても、サクサク読めそう✨

*画像引用元:アマゾン・ホームページ
屋外でも楽しめる ↑
ただ、スマホやiPadとは違う操作をするので、ハイライト機能やその他諸々の機能を使いこなすまでには、まだ若干、時間を要しそうです。
ぼちぼち慣れていこうと思います。
以上、2025年最初の読書の感想でした!
ではでは
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