NHKスペシャル取材班著の『老後破産〜長寿という悪夢』を読み終わりました。
2014年9月放送のN H Kスペシャル『老人漂流〜”老後破産”の現実〜』をベースに、2015年に出版された本です。
2014年といえば10年前。
取材を元にした本としては古いですが、現役投資家FPさんの書評( 【書評】老後破産の原因とは?長生きリスクへの対策とは?)を拝見して興味を持ち、近所の図書館で借りて読みました。(現役投資家FPさん、勝手に引用してすみません💧)
感想を一言でいうと、『現状は10年前と変わらないどころか、ますます、ひどくなっている気がする』💧
『老後の備え、ちゃんとしなきゃ!』と心を引き締めました。
/タイトルからしてかなり怖い/
生活保護水準以下の生活で頑張る人たち
『老後破産』では単身高齢者を何人も取材しています。
夫婦だと2人分の年金を合わせて、なんとか生活していける場合でも、離婚や死別、もともと結婚していない等で単身で、収入が年金のみだと途端に生活できなくなる。
ここ数年、よく耳にする内容です。
この本では取材を元にした具体的な生活費が示されており、めっちゃリアルです。
例えば
毎月、マイナス3万円。
贅沢してないのに、毎月、貯金がジリジリ減っていくって恐怖でしかありません。
ここで誰もが思うのが、生活保護の基準(東京で月額13万円ほど)に満たない部分、菊池さんだと月額5万円ほど生活保護を貰えば、ちょっとは楽になるのでは、ということ。
しかし、事はそう簡単ではなく
多くの高齢者は、その権利(生活保護を受給する権利)を行使していない。
『贅沢は敵』とばかりに、出費を切り詰め、耐え忍んでいる。
生活保護を受けることは、『国のお世話になること』でもあり、罪悪感を伴うと訴える声も多い。
しかし、ギリギリまで我慢していても、病気になったり、介護が必要になれば、生活保護を受けざるを得ない状況になる。
今後、こうした高齢者は、加速度的に増えていくと見られている。
(『老後破産』p.111から引用)
これもよく聞く話ですが、本書によると『家があると生活保護をもらえない』『貯金があるともらえない』と思い込んでいる人も多いとか。
このあたり自治体の運用によっても異なります。
家があっても財産的価値は低いと判断して保護が受給できる場合もあり、一概に『家があったらだめ』とはいえないようです。
まあ、豪邸があったらそれを売って、売ったお金が尽きてから・・・ということにはなるんでしょうが😅
それにしても、いまさらですが単身高齢者、かなり厳しい状況です。
菊池さんに限らず、本書の登場人物が高度経済成長期に真面目に一生懸命働いてきた人たちだけに、『一生懸命、真面目に働いてきてもこれか〜』と不安が募ります。
私も離婚したし、今後、結婚予定もないし、間違いなく単身高齢者になります。
やばいです。
会社を定年退職して年金生活に入ったとき、自分の年金だけで暮らしていけるだろうか?
心配です。
そんな単身高齢者、10年前のこのNHKの取材時は600万人でした。
しかし、総務省統計によると2020年には672万人に増加しており、さらに総務省推計では2040年には896万人に増加する見込み。しかも、年金が少なめな女性の数がだいぶ多い。
今後ますます、食べていけない人が増えるのではないか。
不安要素しかありません。
生活費が月2万5千円ってどないしてるの!?
先ほどの菊池さんは都市部での生活ですが、農村部在住の方の収支も驚きでした。
★収入(月額)
国民年金=2万5千円
★支出(月額)
食費など生活費=4千円
医療費(通勤代含め)=1万円
光熱費・公共料金=1万1千円
残高 0円 (『老後破産』p.174から引用)
この方、少し残っている田んぼを他の人に貸して、その賃料として一人分のお米をもらっているですが、それにしても食費を含めた生活費が月に4千円って・・・厳しいのではなく、無理でしょう・・・。
買い物は月に2回、1回2千円弱しか使わず、食事はフキなどを採取してきて賄っています。
サバイバルすぎます。
私は学生時代に、山にピクニックに行って野草を食べるサークルに入っており、山や川辺には食べられる草も意外と多く自生しているのを目撃しているのですが、趣味で野草を食べるのと、生きていくために採取するのとでは、全く違いますよね。
この人も、周りから田んぼを売って生活保護を受けるように勧められていたのですが、田んぼは生きがいでもあり、なかなか田んぼの売却は難しいようです。
国民年金の額、低すぎるよね
国民年金は満額でも約6万8千円ほどです。
そのうち約7万6千円が、生活扶助費(食費や光熱費などの日常生活費)です。
しかも、生活保護だと医療費が無料なので、収入が国民年金だけで貯金もないと、憲法25条の『健康で文化的な最低限の生活』がおくれない計算になります。
国民年金は、もともと高齢者が子どもなどの家族と同居することを前提として、高齢者のお小遣い的なものとして制度設計されたと社会福祉士の講座で習いましたが、なんぼなんでも今の時代に合ってなさすぎです。
このあたり、本当になんとかならないかなと思います💧
とりあえず私は自衛手段として
★できるだけ長く働く
★働くためにも医療費をかけないためにも(&子どもに心配をかけないためにも)健康に気を付ける
★貯金と投資を地道に継続する
を頑張りたいと思います。
そんなことを、いろいろ考えさせてくれた『老後破産』でした。
ではでは
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