今回は、一度、単行本で買って読み終わったので妹にあげたものの、その後、やっぱり手元で読み返したくなって、メルカリで文庫版を購入したという、いわくつきの本、『この世でいちばん大事な「カネ」の話』のご紹介です。
身も蓋もないタイトルですが、他の西原さん著の本と同様、中身もキレイごとなし。
老いも若きも、すべての女性におすすめしたい。
生きる力が湧いてくる本です。
この本は西原さんの自伝的なエッセイで、「お金」を通して生き様と信念のようなものが描かれています。
文庫版で200ページ弱という薄い本で、イラストもチョコチョコ入っているので、文字数はさほど多くないのですが、内容はめっちゃ濃いです。
西原さんが子供時代を過ごした高知から、このエッセイは始まります。
町自体が貧しくて、1万円で言い争いをする人たち。
子供は親を選べないという事実。
貧困が引き起こすDV、教育からのドロップアウト、若者が薬物やセックスに走るさまが描かれます。
そして、第2章では西原さんが地元の高校を中退し、大検を経て東京の美大に通いながら、十分な仕送りがない中、生活するためにひたすら「カネを稼ぐ」ことを考える姿が描かれます。
カネを稼ぐには、自分を客観的にみて、自分を戦い方ができるようになることが必要。
自分で生活できるだけお金を稼げるようになることで、どのように心が自由になるか、環境や状況に対して強くなれるのかということが語られます。
第2章のタイトル、『自分で「カネ」を稼ぐということは、自由を手に入れることだった』に、深~くうなずく自分がいます。
第3章は、そんな強靭な西原さんでも賭けマージャン(黒川元検事長のようにテンピンでも違法です(笑))やFXで失敗。
ギャンブルなどの依存症や借金について語られます。
若い女の子の「おごられて、あたりまえ」という態度には、相手のことを甘くみて、みくびったり、自分自身を卑屈に思う気持ちが潜んでいる。(中略)お金って、つまり「人間関係」のことでもあるんだよ。
かなり本質的なことが書かれていると思います。
第4章は『自分探しの迷路は「カネ」という視点を持てば、ぶっちぎれる』、最終章・第5章の『外に出ていくこと。「カネ」の向こう側へ行こうとすること』と続きます。
最初の方の、西原さんの子ども時代の貧困状態の描写などは、「戦後すぐの話みたい。本当~?」と思う人もいらっしゃると思います。
確かに西原さんのサービス精神で、盛っているところもあるかもしれません。
しかし、貧富の差が激しい関西で長年仕事をしているわたしからすれば、今の子どもたちが置かれている貧困も、この本に書かれているのと同様か、もっと酷いことになっていると思います。
わたし自身は、子供時代にそうした貧困は味わいませんでしたが、結婚して仕事を辞め、その後、子供を抱えて別居、離婚する過程で、かなり経済的に大変な時期が続きました。
結婚する前は、想像できなかったような大変な立場に追い込まれ、「母子家庭」や「貧困」というワードを、本当~にリアルに実感しました(^^;)
人生、何が起こるかわかりません。
まだ、読んでらっしゃらない方は、是非、「働くことが、生きること」と語る西原さんのこの本を読み、「カネ」と正面から向き合い、カネを生み出す仕事について考え、より自由に豊かに生きるためのきっかけにしてください♡
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!