すこし前ですが、子供と一緒にディズニー・アニメ『ラーヤと龍の王国』を観てきました。
あまり宣伝しておらず地味な雰囲気だったので、さほど期待せずに観に行ったのですが、これが大あたり!
みなさんが、あちこちで感想を書かれているとおり、素晴らしい内容でした♡
テーマは『人を信じる心』。
これだけ聞くと陳腐に思えますが、なんのなんの大人がみても楽しみ感動できます。
緊迫したシーンやシャープなアクションが多いので、小さいお子さんには怖い内容で泣き出しちゃうかもですが、小学校高学年以上だと何かしら感じるものがある映画だと思います。
今回は、そんなディズニー・アニメ『ラーヤと龍の王国』のご紹介&感想です。
ストーリー
はるか昔、古代アジアのクマンドラという世界では、人間とドラゴンたちが仲良く暮らしていました。
しかし、ドルーンと呼ばれる不吉な怪物が世界を脅かします。
この怪物、黒い煙のような存在で、変化自在に人間やドラゴンに襲い掛かり、ドルーンの煙に飲み込まれると人間もドラゴンも石になってしまいます。
世界が滅亡するかと思われたとき、ドラゴンは人々を救うために自らを犠牲にして
ドルーンを封じ込めます。
しかし、一つだったクマンドラは5つの王国に分断されてしまいます。
そして、人々は『信じる心』を失っていきます。
それから500年。
信じる心を失った王国は、再びドルーンに襲われます。
『ラーヤと龍の王国』は、そんな時代を背景にしています。
*ラスト・ドラゴンのおちゃめなシスー
聖なる龍の力が宿り、ドルーンの力を封じ込められるという『龍の石』
その龍の石を守護している王国のプリンセスが主人公のラーヤです。
ラーヤが子供の頃、ラーヤの父が5つの王国をふたたび一つにするため、それぞれの王国の長を招いて会合を持ちます。
疑心暗鬼になりながらも、集まる長たち。
そんな中、ラーヤは別の王国の同い年のプリンセス『ナマーリ』と仲良くなり、『龍の石』がある洞窟の中に案内してしまいます。
しかし、龍の石のある場所を知ったとたんナマーリは裏切り、石のありかを会合に参加していた母親(ファングという国の長)に教えてしまいます。
5つの王国の長は、自分たちが『龍の石』を手に入れようとして大混乱に。
そんな混乱の中、龍の石は割れてバラバラになり、世界中に散逸してしまいます。
また、愛する父もドルーンに襲われて石に。
*ラーヤと旅する人たち
この出来事によって、ラーヤは人を信じることができなくなります。
そして、自分だけを頼りに、世界と父を救うために旅に出るのですが、その道中でもさまざまな裏切りにあい、どんどん頑なになっていきます。
何が入ってるか分からないので、食事も一人ぼっちで自分で作った干物のようなものを食べていたり、寝るときもぼっちなラーヤ。
しかし、ラスト・ドラゴンのシスーに巡り合えてから、少しずつ頑ななラーヤの心が溶きほぐされていきます。
このラスト・ドラゴンのシスー、人々の語り伝えでは絶大な力を持つ、美しく神聖な水の存在ですが、実際はちょっと間抜けでおちゃめな感じ。
誰でも自分から進んで信じようとする、ラーヤとは正反対な存在です。
そんなシスーに少しづつ影響されて、最後、ラーヤは極限の場面で『人を信じる』一歩を自ら踏み出します。
これ以上は、まだ観ていない方のお楽しみを奪わないためにやめときますが、最後はハッピーエンドですので安心してご覧ください♡
ディズニーっぽくないディズニー・プリンセス・アニメ
この映画、事前の予備知識なしで、ディズニーのプリンセス・アニメだと思って観に行ったのですが、観てみてびっくり(*_*)
これまでのディズニープリンセス・アニメとは大違いなハードさ。
でも、そこがとっても魅力的でした。
ぼっちで人間不信のプリンセス
これまでも、『プリンスが来るのを待っている』女子像からの脱却をはかり、アナ雪ののキャラクターなど、自分の意思を前面に出すプリンセスが、次々と出てきていますが、龍の王国のラーヤはその究極のキャラです。
『人を信じることができない』孤独な主人公。
アナ雪のエルサも孤独な引きこもりキャラでしたが、ラーヤの場合、子供の頃、自分が信じたナマーリに裏切られて、愛する父が石になり世界の荒廃も進んでしまったことから、対人不信感が半端ないです。
こんなに頑ななまでに人を信用しないヒロインは、他のディズニー・アニメでは見たことがありません。
こんなラーヤなので、プリンセスではありますが、素敵なプリンスもロマンチックなデュエットソングも出てきません(笑)
ラーヤの不信感はかなり極端なのですが、それだけにある意味わかりやすく、自分の心にある周りの人に対する不信感の種のようなものを拡大させてみせてくれるようで、不思議と感情移入できてしまいます。
一方でラスト・ドラゴンのシスーは、何度裏切られても身をもって『自分から人を信じてみせる』存在。
そんなシスーに触れて、多くの悩みや迷いを抱えながらもクライマックス・シーンで『人を信じる』一方を踏み出すラーヤに、涙が出ること絶対です!
アジアンテイスト
今回の舞台はアジア。
これまでもアジア系では、古代中国を舞台にしたムーランがありましたが、今回はベトナム、フィリピン、タイあたりが舞台の様子。
ディズニーも白人系ばかりでは、『多様性に配慮してない』とかいわれちゃうからかな、と思いつつも、風景描写も自分描写も素晴らしかったです。
ただ、これは私個人の問題ですが、登場人物の名前も地名も覚えにくい!
これだけが難点でした(^^;)
映画館を出たとたん、主人公の『ラーヤ』はかろうじて覚えていたものの、敵役の『ナマーリ』は名前が出てこず、子供に『ほら、あのラーヤの敵のショートカットの子』とかいう始末。
ラーヤのペット(?)で乗り物の、巨大なダンゴムシのような子の名前は『トゥクトゥク』ですが、これもすぐに忘れてしまいます(^^;)
*子供の頃のトゥクトゥクはミニサイズ♡
主要登場人物でこれなので、ましてや舞台となる地名なんか、とてもとても覚えられませんでした(笑)
クールなアクション満載!
主人公のラーヤは剣術に長け、戦闘能力もとても高いヒロインです。
荒廃した世界の救世主となっていくラーヤは、いたるところでアクションを炸裂。
宿敵のナマーリもかなりのもので、女子同士のクールなアクションは見ごたえ十分です。
ナマーリのアクションも、オシャレな髪形と相まって、かなりのカッコよさ。
香港のアクション映画のような見ごたえでした♡
戦闘シーンをみているだけでスッキリして、日常のうっとうしさを発散できます!
*超クールな宿敵ナマーリ
おわりに
『人を信じる心』がテーマのディズニーの新作『ラーヤと龍の王国』。
主人公はプリンセスですが、王子さまとの恋愛なし、劇中のラブソングなし、アクション満載の異色のディズニー・プリンセス・アニメです。
旅のハードさ、道中で裏切られるさま、主人公と真逆なラスト・ドラゴン・シスーとの出会い、そして旅の仲間が増えていく様子などは、私が子どもの頃の少年漫画のテイストさえ感じます。
また、殺伐とした世界観は、今のコロナ禍の世界観にも通じるような気がします。
内容がけっこう暗めで怖いので(面白いシーンもけっこうありますが)、小さなお子さんにはNGだと思いますが、小学校高学年以上だと多分OK。
うちの新中1の娘も、『怖かったけど観ごたえがあった』とのこと。
あまり宣伝をしておらず地味に上映されていますが、是非、観ていただきたいオススメ作品の一つです♡
上映館はこちらから!(↓)
最後までお読みいただき、ありがとうございました♡