私は今、40代後半。
私の父母は70代後半です。
私は出産したのが30代半ばだったので、娘はまだ中学生ですが、私もじーじ&ばーば(私の父母)もかなりいい年です。
中高大時代の友達のご両親も、亡くなったり、調子が悪くなって介護が必要になったりするケースが増えてきています。
そう親の『介護』の二文字が、超現実的になってきているんです。
介護の絵本
今、社会福祉士という福祉系の国家資格取得のための勉強をしています。
レポートの資料にするために、定期的に地元の図書館に行って、本を借りているのですが、大好きな西原理恵子さんのイラスト入りの本をみつけて、一緒に借りてみました。
『介護の絵本』です。
著者は神足裕司さん。
アラフィフだったら、多分、知っている『金魂巻』『恨ミシュラン』の方で、今は『要介護5のコラムニスト』さんです。
神足さんは、2011年(54歳くらい?)にくも膜下出血になり、失語症や左半身不随の後遺症が残りました。
ちなみに『要介護5』とは、介護度の中でも最も重度な状態で、『日常生活のほぼすべてに介助が必要』です。
立ち上がって歩くことが困難で、一日中、ほとんど寝たきりのことも多いです。
そんな状態なんですが、ご家族は自宅でいろいろなプロの手助けを借りながら、介護する道を選ばれます。
この本、西原さんの緩いイラストと神足さんの面白く読みやすい文章で、とっつきやすく、すぐに読めるんですが、かなり考えさせられました。
♪ 文字も大きくて読みやすい ♪
資格の勉強や将来的な備えのために、介護関係の本はちょくちょく読んでいるのですが、支援者する立場の人が書いた本が多く、介護が必要になった当事者が書いた本は初めて読んだ気がします。
介護される側は、発信力がどうしても乏しい状態になっているので、介護される側の思いを聴ける機会って少ないんですよね。
介護される側の視点
神足さん、この本が出版された時点では、どうやらあまり喋れないけど、文字は書けるという状態です。
プロに介護してもらっているはずなのに、いつの間にか骨折していたり。
日々、いろいろあります。
たくさんの介護の人が関わっているのですが、中には『マジか!?』みたいな雑というか、神足さんが『喋れない』→『なにもわからない』と思って、唖然とするような『プロとしてどうなん!?』な介護をする人も中にはいるようで・・・。
喋れないから、何もわからない、というのではないんですよね。
けっこう、いろいろ分かるし、口に出せないけど考えていたりする。
当たり前だけど💧
日々、しんどくメンドイ介護をしてたら、抜け落ちちゃうところかも💧
リハビリをして機能を戻すというのは、本人はもちろん、周りの人の多大な努力と協力を要します。
寝たきりの人間を作るのは簡単だ
一週間もかからない
西原さんの言葉がずしんときます。
介護されていてもカッコいいものにときめく
神足さん、外に出たり、さらには旅行をしたり、便利&かっこいい介護グッズに目がありません。
寝たきりに近かったら、体を動かすのはかなりな負担になるので、ご本人もあまりしたくないのかなと、私はなんとなく思っていたのですが、神足さんは出たがり。
外出したい派です。
そうした人も、周りが気が付かない、気づいてもサポートしきれない(社会システムも含めて)だけで、たくさんいらっしゃるんだろうな。
介護がいる・いらない、障害がある・ないにかかわらない生活をしたい人は、すごく多いんだろうな、と改めて思います。
神足さんはご家族と国際福祉機器展などに行って、最先端の車椅子などの介護器具に胸をときめかせています。
私も、すごく気になって介護関係の動画をみてみたのですが、超進化していてびっくり!
ちょっとガンダムっぽい?
みたいなのもあって、わくわくしました。
これなんか、かっこいいと思う♬
↑
↑ 座面を上げて立っている人と同じ目の高さまでもっていけるんだって。
人、モノ、雰囲気って重要と思った
かれこれ20年ほども昔。
友達とドイツのフライブルクに遊びにいったときに、街中に車いすの人が多くてびっくりしました。
きっと日本にも車椅子や、車椅子にすら乗れない人がたくさんいるけど、公共物のデザイン一つとっても、日本で街には出てきにくいんだろうなと思いました。
最近は20年前と比べれば、ユニバーサルデザインのものもかなり増え、街でみかける車椅子の方々も増えました。
でも、まだまだ道半ば。
スカラモービルっていう、普通の車椅子の下に差し込んで、階段をウィーンって上がるのもあるんだって♪
福祉の勉強をしていていうのもなんですが、本当に福祉のシステムは制度が複雑でわかりにくい。
現行でも補助をいろいろ組み合わせれば、在宅にしても施設にお願いするにしても、かなりなところまで、家族の経済的負担も身体的・精神的負担もカバーできるはずですが、なかなか実際はそうはいっていない場合が多いように思います。
この本を読んで、制度に熟達していて親身になってくれるケアマネージャーさんの存在は大きいなと改めて感じました。
ケアマネさんが司令塔となって、素敵なチーム(=人)が結成されていく。
理想ですね。
そうしたケアマネさんに出会うには、情報収集など、努力も必要。
繋がるって、すごく力のいることだと思う
そして、介護グッズも日々、新しくなっています。
そうした介護用品は高いので、ここでも安いレンタルや補助金の情報は重要になってきます。
そうした環境が整って、家族や一部の人に過度な負担がかからない状況になってこそ、みんな明るい雰囲気(←これリハビリには大事)になれるんだろうなと思います。
西原さんが書いてますが、神足さんのご家族には、一家の大黒柱がいきなり要介護5になっても、『山積みされた沢山の困難を一つずつ解決していく頭の良さ』がある。
私も、日々直面している人生の課題に、一つずつ対応していける頭の良さをつけないな~と思いました。
脱力系で楽しい介護の本 ♪
図書館にも広く置いて欲しいな♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
Have a nice weekend!