新型コロナの特別定額給付金。
紆余曲折したのち、一部の人に30万円ではなく、住民基本台帳に載っている人みんなに10万円となりました。
わたしも子どもも、同居している父母も、そのニュースを聞いたとき、「わ~、うちらも対象だ~」と喜びました✨
しかし、ふと過去を振り返るとわずか数年前、離婚する前で別居中の状態が長々続いていた頃だと、受け取れただろうか・・・いや、世帯給付だと無理だった時期もある・・・と思い至り、複雑な気持ちになりました。
別居開始して間がなく、まだ、復縁の可能性があるからと世帯を分けていなかったり、DV被害で逃げていたり、家庭内別居で配偶者がモラハラだったり等々、本当に必要としているのに、受け取れない人がけっこういるんではないかと思います。
世帯給付だと、給付先の数が減るので、スピーディーだというのは分かります。
そして、現状ではスピードは大切でしょう。
でもね~、なんで個人給付じゃなく世帯給付やねん!
一人ひとりがもつマイナンバーって、こういうときのためのものかと思っていたぞ~!
というのが正直な感想です。
以下、素人の私見ですが、そうした感想をもつ理由を書かせてもらいます。
受給権者は世帯主
総務省のホームページをみると、一人に10万円ずつ給付されるけど、「受給権者は世帯主」とはっきり書かれています。
家族みんな円満だと全く問題ないですが、そうじゃないと世帯主の意向次第で家族メンバーに合意(もちろん自由意思に基づくもの)もなく分配せず、独り占めする場合も出てくるんじゃないかな?
DV被害者とか、離婚協議中で別居してたり、まだ、家庭内別居で同居中だったり。
配偶者関係でなくても、子供を搾取する親は多いし、高齢になった父母に渡さない人もいるんではないでしょうか。
まあ、支配的な人が家族にいると、個別に給付されたとしても、取り上げられる可能性もありますが、支配的な人=世帯主で世帯主が受給権者だと、とてもまずいです。
世帯分離は手続き的には比較的簡単ですが、世帯分離をしていまうと、扶養から外れて社会保障に自分で加入することになるので、みんなができるわけではなく、一定の収入が持続的にある人でないと難しいと思われます💦
DVを理由に避難している人は世帯主でなくても申請できるが・・・
対象者が限られている
単にDVで逃げて別居、というのでは受け取れません。
そしてこの場合のDVは、事実婚も含めた配偶者からの暴力に限定されています。
兄弟、親、義理の家族などから、身体的・精神的に虐待されて、逃げている人も多いですが、そうした人たちはそもそも対象外です。
申出期間が切迫している
世帯主でなくて申請できる対象者が限られているのも問題ですが、申出期間もめっちゃタイトです。
給付金については、総務省のホームページ(↓)にいろいろ出ていますが、
総務省|特別定額給付金(新型コロナウイルス感染症緊急経済対策関連)
DV避難者の具体的な申出方法が発表されたのが4月22日。
そして、申出期間は4月24日~4月30日までというタイトさ。
この間、祝日もはさまるので、22日に申出方法が発表されてから、30日までのビジネス・デイは、わずか6日です。
一応、4月30日を過ぎても、「申出書」を提出することはできるとありますが、いつまでかは、書かれていません。
たぶん5月中旬には、市町村から申請書が郵送されてくるでしょうから、それが返送された後だと、加害者側との2重給付になる、ならないで、手続きがややこしくなってくると思います。
なので、加害者が申請するまえにDVを理由に住民票を移さずに避難しているという申出をしたほうがいいでしょう。
そうなると、やっぱり時間は限られています。
DVの証明は難しい
配偶者からの暴力で住民票を移さずに避難している人でも、「DV被害者です」と避難先の自治体で自己申告しただけじゃ、給付金は受け取れません。
確認書類として、
★婦人相談所、配偶者暴力相談支援センター等が発行する証明書や市町村が発行するDV被害申出確認書
★保護命令決定書の謄本又は正本
が必要です。
私は以前、警察に紹介されて、配偶者暴力支援センターに電話をしたことがあるのですが、いろいろ聞かれるだけ聞かれて、たいしたことないと思われたのか、結局、相談予約すらとれなかったことがあります。
相談機関の対応にかかることになり、困っていても証明書の発行まで至らない人も多いと思います。
保護命令も裁判所に出してもらうので、他の案件よりスピーディーに処理してくれるでしょうが、今日いって、明日出してもらえるというのでもありません。
保護命令決定が出ている人でも、謄本や正本をこの限られた期間で、外出自粛の中、そろえるのは一苦労です。
謄本を裁判所まで直接行くのは、お子さんが小さいと一緒に行くのをためらわれるところですし、郵送だと申請書を裁判所のホームページからダウンロードして収入印紙を貼って・・・そもそも郵送だと、いつ届くんだろう・・・
精神的DVだけだったり、モラハラだったりすると、書類以前に証明そのものも困難でしょう。
申し出できるという情報が届いていないかも
DV被害者になると、不眠や記憶障害、意欲の低下など、さまざまな精神症状が出てくる場合があります。
情報に対するアンテナも低くなっている人も、多いでしょう。
また、DVの人が入れるシェルター、特に公的なものは、入所にあたってスマホの使用を禁止しているところもあります。
スタッフが親切だと情報は得られるでしょうが、そうでないと、スマホなくしてこの申出情報は得にくいと思います。
また、そういうのがあるという情報を得られたとしても、申請書の様式が見つけにくいんですよ。
総務省のホームページに出ているのですが、こ~んなところにチョコッと載っています。
ちなみに、スマホの使用が禁止な施設があるのは、わたしが以前に聞いた範囲だと、位置情報で加害者にいる場所が知られたり、加害者がシェルターに怒鳴り込んできた場合、他の入所者が大きく動揺するから等とのことでした。
おわりに
子どもは、「ディズニーリゾートが再開した時のために、10万円の大半はためとく♡」と、給付の10万円をお年玉と混同して、楽しみにしています。
しかし、本当に必要なのに受け取れない人が出るであろうことは、とっても心配な点です。
なんとか、相談に応じて個別対応してもらいたいです。
もし、これを読んでいて、受け取れるか心配な方がいらっしゃったら、早急に総務省のムページで確認したり、お住いの自治体に相談されることをおすすめします!