これまで、本の感想について何度か書いてきましたが、いずれも感動した『おすすめ本』についてでした。
しかし!今回は思い切って、批判的な感想を書いちゃいます。
『ケーキの切れない非行少年たち・宮口幸治』新潮新書についてです。
▼第2弾『どうしても頑張れない人たち』の感想はこちら!▼
この本は、評判になって書店にたくさん平積みされていた昨年(2019年)の秋ごろに購入し、途中まで読んだ後、そのままになっていました。
今も本屋さんに、たくさん並んでいるので、けっこう息長く売れ続けているんでしょうね。
そして最近、コロナで在宅勤務が続き、時間的に余裕ができたので、読み終えることができました!
著者の宮口幸治さんは、児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務した経験をもち、現在は立命館大学の先生で、この本は、医療少年院に勤務されていたときの経験をもとに書かれたものです。
本の内容は一言でいうと、『タイトルのとおり』です。
それ以上でも、それ以下でもありません。
社会(学校など)に適応できず非行に走り、少年院に行くまでにこじれてしまう少年たち。
その中には『反省以前の子ども』、つまり認知力が弱く、ケーキを等分に切ることすらできない非行少年が沢山いる、ということがとても丁寧に書かれています。
\ ケーキを三等分できない・・・/
医療少年院には境界知能の少年が多く、ただ単に『反省』を促しても、その意味するところもよく理解できないないことに気が付いた、というような内容です。
ちなみに境界知能とは、あえてIQでいうと70~85程度です。
境界知能の人は、明らかな知的障がいというわけではないけど、知的障がい者と同じくしんどさを感じていて、支援を必要としているかもしれない人です。
他にも、非行少年に共通する特徴として
★認知機能の弱さ(見たり聞いたり想像する力が弱い)
★感情統制の弱さ
★融通の利かなさ
★不適切な自己評価
★対人スキルの乏しさ
などをあげ、分かりやすく説明されており、お勉強にはなります。
しかし!わたしが不満だったのが、本の構成。
全7章のうち第1章~第6章までが、そうした非行少年の実態等の説明にあてられており、学習の基礎となる認知機能を向上させる方法については書かれているのは最後の第7章だけなんです。
帯(の下の方)に「1日5分で日本を変える方法」って書いてあるから、認知機能を向上させる方法=コグトレ(という名前)について、もっと具体的に詳しく紹介されているかと思っていたんです(^^;)
でも、そこはサラッとさわりだけでした。
コグトレ、宮口先生が他にいろいろ本を書いてらっしゃるので、詳しく知りたいんならそれを買ってね、ということでしょうか・・・。
新書版で200ページ近くあるのに、このバランス、なんとかならなかったのかな~。
思い返せば、購入した後、途中で読むのが止まったのも、同じような内容がずっと続いていたからでした。
非行少年の現状(この本の内容が、すべてではないでしょうが)を知るための一歩としてはいい本だとは思うけど、わたしにとっては、200ページもあるんだからもうちょっと現状分析を少なくして、トレーニング方法や効果について書いてほしかったな~という、残念書籍です。
絶対に、お読みになることはないと思いますが、宮口先生、この文章を読まれたら、すみません~(^^;)
でも、率直な感想なんです~。
今回は、どきどきしながら批判的な感想を書いちゃいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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