2022年2月のロシアのウクライナ侵攻には本当に驚きました。
国家をあげての侵略戦争は20世紀で終わったものだと思っていたのに、まさか、21世紀の今になって起こるとは・・・。
この侵攻問題が起こるまで、ウクライナやロシアその周辺国などに対して、関心も知識もなかったわたし。
まったく知らなかったウクライナのことについて、ちょっとでも知りたいと思って、平野高志さん著の『ウクライナ・ファンブック』を読んでいます。
この本、ウクライナ研究会・会長の岡部芳彦さん(神戸学院大学教授)が、YouTubeの『Re:Hack 特別編~成田悠輔&ひろゆき&街で見つけたロシア人とウクライナ人』という怪しいタイトルの番組の中で、ウクライナ初心者にオススメしていた本なんです。
この番組を見たのが3月初旬。
すぐにアマゾンやメルカリで探したのですが、在庫なしで、中古本もえらく価格が高騰していました。
で、そのときは買わなかったのですが、4月に入って久しぶりにネットでチェックしてみると、増刷で在庫ありになっていました!
そこで早速購入。
著者の平野高志さんは、鳥取生まれで、在ウクライナ日本国大使館専門調査員を2018年まで数年間されたあと、ウクライナ国営通信の日本人編集者として活動されていました。
キーウに在住となっています。
平野さんは写真家でもあり、この本にもたくさん美しい写真が掲載されています。。
『ニッチ・ジャーニー』シリーズの1冊ということで、内容はお料理や建築物の写真も多く、旅行のガイドブックなのですが、中身はかなり濃いです。
本の後半には、ウクライナ史や宗教のことやウクライナ人についてなど、知識ゼロからスタートの私には十分なくらい詳しく書かれています。
名前だけしか知らなかった『コサック』の末裔、とウクライナ人は自らを呼ぶ場合が多いこと。
スターリンの大粛清のことや、ソ連の農業政策の失敗によりホロドモールと呼ばれる人為的大飢饉が起こって大量の餓死者が出たことなども、この本で初めて知りました。
もともとウクライナは肥沃な土壌を持つ農業大国なのですが、たくさんあった自営農家を廃止したり、集団農場(コルホーズ)に編入したりして、農村が急速に荒廃したのちの深刻な飢饉だったようです・・・。
その他、身近なところでは、ボルシチがロシア料理というよりはウクライナ料理だったことも、この本で知りました(--;)
ソ連≒ロシアだと、なんとなく思っていたんですよね・・・。
また、この本は2020年の発行なのですが、『隠れたIT大国』という説明も記載されていました。
そのあたり、今回の戦争でウクライナのITを駆使する情報戦略の巧みさをみていると、よくわかります。
本の帯には『うっ、暗いな・・・』→『明るいな!』と書かれているのですが、これについては、なんといっていいか、つらいところです。
ロシア侵略前だと、この本を読んで素敵な建物やレストランがあり、気候が良いこともわかり、『旅行に行きたいな』『明るいな!』となったのでしょうが、ニュースで悲しい映像をたくさん観た後では辛いです。
ハルキウやマリウポリの街の美しい写真も出ているのですが、破壊しつくされている現状を考えると、本当に侵略は恐ろしいというのを感じます。
今回、ウクライナについてはIT戦略の巧みさから、私のような遠くに住む別の国の市民でも情報を目にすることができ、大変なことになっているということに気が付きました。
でも世界の中には、きっと私が知らない、気が付いていないところで、大変なことになっている地域も多くあると思います。
日々の生活に追われがちで、目先のことしか考えられないことが多い私ですが、いろんなことにアンテナを立てて、世の中のことに気を配っていかないと、日本も恐ろしいことになるんじゃないかと思いました。
『ウクライナ・ファンブック』、楽しく読むのは難しい現状ですが、ウクライナのことを一から知るのにはとってもいい1冊だと思います。
よかったら、ぜひ、手に取ってみて下さい。
池上さんの旧ソ連本~ロシアに服従するか、敵となるか~も興味深いです。
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