上野千鶴子さんの『女の子はどう生きるか:教えて、上野先生!』を読了しました。
『女の子はどう生きるか』は岩波ジュニア新書で、女子中高生向けに書かれた本です。
うちの中2の娘も読むかなと思って購入したのですが、大人(というか中高年)の私が読んでもとってもエキサイティングな内容の本でした♪
上野さんらしく、切れ味鋭くちょっと怖い。
だけど、しょっぱい社会の真実が明るく書かれていると思います。
女子のみならず、男子中高生や大人男子にも、ぜひ読んでもらいたい内容なので、読後感が鮮明なうちに感想を書いちゃいます♪
クソバイスはスルーしてよし
『女の子はどう生きるか』は
『理系研究者は男子が目指すもの?!』
『専業主婦に憧れます!』
『総合職か、一般職か?』
などなど、女子が普通に抱く44の疑問に、上野先生が全力で答えていく形式で書かれています。
上野千鶴子さんは、いわずと知れたフェミニストとして有名な元東大の先生。
年齢的にも女性研究者&女性職業人として、道なき道を進んできた方です。
断片的に見聞きする論調も厳しい印象がありました。
そう、この本を読むまでは、正直『なんだかコワそう』と思っていました。
でも、読んでいくうちに、怖いのは怖いけど、明るくて面白く、後に続くもの、特に、若い世代の愛に満ちていると認識を新たにしました(笑)
例えば
浪人して、東大を目指している姉に向かって、祖母は『もうお嫁にいけない』と愚痴をこぼします。
男の子だったら言わない気がします。
どうして女の子が東大を目指したり、浪人したりしてはだめなのですか?
(p43から引用)
という質問に対して、上野先生は質問者のおばあちゃんの発言を『クソバイス(クソのようなアドバイス)』と断じます。
クソバイス、笑っちゃいました(^^)
でもそこで『クソバイス』と切り捨てて終わらず、浪人をサポートしている質問者の保護者は立派ということや
おばあちゃんが言うことにも一理あると、これまでの社会=おばあちゃんやお母さんが過ごしてきた社会のことに話を広げます。
わかってくるのは、十数年の間に、いろいろ変わったこともあり、変わらないこと(オッサンたちの価値観など)もありということ。
わたしも生きてきた時代の流れを改めて思い返し、『そうそう!』『ホンマに!』と心の中で、激しく相槌を打つ場面が沢山でした(^^)
♪羽ばたけ!女の子たち♪
性に関する踏み込んだ内容も
第3章の『リア充になるってけっこうたいへん?!』では、恋愛や性にまつわる話も盛りだくさん。
性の話は子どもにしておきたいんですが、なかなかタイミングがつかめず、踏み込んだ話ができないでいます。
避妊の話や、痴漢の話、DVの話など、ディープなことも、実態やリスクを含めていろいろ書かれているので、このあたり、ぜひ、娘に読んで欲しいんだけどな~。
『対等な性って?』、『痴漢にあうのは私が悪い?』、『JKだけができるアルバイト』
読んでくれるかな~。
(←ちなみに、痴漢は加害者が100%悪いです。当たり前ですが)
秋葉原でホスト風のイケメン男子に『JKの今しかできないバイト』を勧誘された女子からの質問(Q33)には、
たしかに、JKには商品価値があります。しかも、その商品価値は期間限定です。なら価値があるあいだに、自分のカラダを使って何が悪いの?と思うのもムリありません。
そのJKビジネスであなたが出会うのは、どんな男性でしょう?そこまで考えてみましたか?初対面の、よく知らないJKに、JKというだけでムラムラして安くないおカネを払う男性。~(中略)~もしあたなのお父さんが同じことをほかの女の子にしていたら、どう思いますか?
(p124から引用)
まさに私が早いうちに、娘に伝えたい内容なんですよ。
でも、話すタイミングもないし、うまく話せない・・・。
上野先生、言いにくいことを書いてくれてありがとう!!!
♪いろんな質問に答えてくれる♪
難民になってでも、生きていける知
この本の最後には、当時話題になった『2019年東京大学学部入学式祝辞』も掲載されています。
当時、『入学式の祝辞としてはいかがなものか』という意見や、『すごく興味深い』という意見などがあり、いろいろ話題になったように記憶しています。
そのときは、『東大に合格したのは、環境によるところも大きい』という趣旨の発言がクローズアップされていたように思いますが、他にもいろいろ興味深いことをおっしゃっていました。
今回、私が感銘を受けたのは
あなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。
大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。
(p208より引用)
というところ。
東大生に限らず誰でも、どんな世界でも難民になってでも、生きていける知(とたくましさ?)は、今後ますます必要になってくるように思います。
死ぬまで、学んで変化し、その時々の環境に柔軟に適応していきたいなと思いました。
その他、中高生に読んで欲しい本
最後に私の独断で、中高生に読んで欲しい本、そして親世代が読んでも興味深いであろう本を、あげておきます♡
池上彰(監修)『なぜ僕らは働くのか』
仕事は誰かの役に立つこと、誰かの役に立つことが仕事になる。
そんなシンプルな原則がしっかり書かれており、情報量も多く内容も濃い♪
オードリー・タン『デジタルとAIの未来を語る』
こんなにスゴイ人だったって知らなかった~、な1冊。
人間、年齢じゃないね。
浮きこぼれて、同年代の子になじめなかった様子も書かれていて、共感する子もいるかも。
鴻上尚史『親の期待に応えなくていい』
『親の期待が重い』と感じている子がいたら、ぜひ、読んで欲しい。
『親の期待』から自由になる勇気をくれます。
両@リベ大学長『お金の大学』
私の時代に足りなかったのは、お金に関する教育だと思ってます。
今の中高生には、『本当の自由を手に入れる』ため(←この本の副題)に、若いうちからお金についての知識を深めてもらいたいな。
長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ではでは
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