シングル&ワーキングママのぽんちゃん日記

公認心理師でシングルママの情報発信ブログです♪ 不登校気味の娘やお金ことなど、尽きない悩みを力強く乗り越えたい♡

【本の感想】『女子少年院の少女たち』は、当事者目線の良書と思う

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インパクトのある本を読んだので、忘れないうちに感想を書いておこうと思います。

 

今回、ご紹介するのは『女子少年院少女たち〜「普通」に生きることがわからなかった』です。

 

『非行・犯罪』とか『更生』というと、支援者的立場の人の上から目線な内容や、学者さんの分析・考察系、はたまた,露悪的な三流週刊誌的ドキュメンタリーならよく見かけます。

 

でもこの本は違います。

 

上から目線でも、下から目線でもない、いわば水平な当事者目線な本。

女子少年院に入っている少女4人にインタビューし、一部、社会に復帰してからの姿も追っています。

 

結構、これってこの分野では珍しいのではないでしょうか。

 

当事者目線の非行ドキュメンタリー、私にはとっても新鮮で、著者のあたたかい視線も感じ、良書と思いました。

 

教育や子供の貧困、 家族問題に興味のある方には、ぜひ、読んでほしい本です♪

 

 

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著者も女子少年院出身

 

著者の中村すえこさんも、実は女子少年院出身なんです。

これがこの本の大きな特徴でしょう、

 

中村さん、若かりし日はかなりやんちゃだったよう。

レディース(懐かしい響き(^^))の総長をしていて、抗争(!)による傷害事件で逮捕され、榛名女子学園という群馬県にある少年院に収容されていた経験をお持ちです。

 

そんな中村さんが、出身少年院である群馬県の榛名女子学園に取材に行き、現役の女子少年院の少女たちに取材したのがこの本。

 

4人の少女たちが登場します。

 

中村さん、現在は40代後半で私と同世代。

こんな本を書かれるくらいなので、今はすっかり更生されており、少年院出身者の自助グループ『セカンドチャンス!』でも活動されています(本業は別にお持ちです)。

 

自分も少年院出身だったら、みんな当事者目線になるかというと、私の少ない経験からすと、そういうものではありません。

黒歴史として一切の関りを断ったり(それはそれでいいんでしょうが)、現在、成功している場合なんかは、支援するとなると上から目線になったりする人もいます。

 

しかし、中村さんはあくまで当事者目線な感じ。

中村さんの真摯で誠実な人柄が反映しているからかな、と私は勝手に思っています(^^)

 

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それはドキュメンタリー映画『記憶』からはじまった

 

この本を読むことになったきっかけは、実は本の著者・中村すえこさんが監督した映画

『記憶』でした。

 

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この映画は少年院の上部機関である法務省のバックアップを得て、女子少年院内にカメラを持ち込むという斬新な方法で撮影されたドキュメンタリーです。

(再現ドラマ部分は、俳優さんが演じています。)

 

本の内容とリンクしていて、本にも登場する少女たちのインタビューがリアルに描かれています。

 

映画より詳しい内容が、本『女子少年院の少女たち』という感じです。

 

知人に誘われて映画の上映会に行ったんですが、上映会とセットで中村さんもご出演のトークセッションがあり、中村さんご本人のインパクトにやられてしまいました。

 

この映画、残念ながらアマゾンプライムなどでは観られないのですが、各地で無料の上映会を行っているので、機会があったら是非みてください♬

 

 

モヤモヤ感が超リアル

 

映画は特にそうなんですが、パッピーエンドでもバッドエンドでもない、『to be continued(続く)』感があります。

 

インタビューでは少女たちの、これまでの生活してきた歴史が語られます。

悲惨な家庭環境の子もいれば、外形的には恵まれているといえる家庭環境の子もいます。

 

少女たちの個性もさまざま。

 

中でも一番印象的なのは、少年院から退院した後も、継続して(途中、途切れていますが)取材できている佳奈ちゃん

 

彼女は少年院から仮退院後、親元に帰らず、大阪の中間支援施設・良心塾にお世話になります。

 

ひとことでは言いにくいので、詳しくはぜひ、本書を読んでいただきたのですが、佳奈ちゃんはこの良心塾で上手くいかず、行くところもないまま追い出されてしまいます。

 

このあたりも、『良心塾、もっとサポートしたってよ~』と読んでいて、モヤモヤする感じです。

責任者の〇川さんは、映画をみても本を読んでも、モロ悪者にみえてしまいます(-_-;)

 

でも、〇川さん、そうした印象を持たれることを承知で、映画・本については実名登場を了承してらっしゃいます。

 

〇川さん、本来はまっとうな人なんでしょうけど、その人が悪人に見えるほど、支援は難しいということなんだろうと思います。

 

ちなみに佳奈ちゃんは、良心塾を飛び出してから、紆余曲折があったあと、とっても良い出会いがあり、未来のある感じで終わっているので、安心して読み進めて下さい。

 

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ディテールも超リアル

 

一度、非行や犯罪を犯した人がスティグマなどを跳ね返して、社会で居場所をみつけて生きていくのは本当に大変。

 

例えば、ヤクザだった人が組織を離脱し、真面目に働いても、数年間は銀行口座を作ることができない。

 

これって意外と重要です。

 

口座がなければ、お給料の振込先がない。

銀行口座を開設できない人を、わざわざ雇う会社は少ないと思います。

それにそもそも、昨今、現金で支払いというところも少ないし。

 

社会的信用って、一度なくすと本当に厳しいんだなと実感します・・・。

 

 

かつては被害者だった少女たち

 

彼女たちは、加害者になる前に被害者だった

 

著者の言葉が重いです。

 

世の中の人は、(中略)少年院を出て社会に戻ったときは構成していると思っているが、これは間違った認識であると私は思う。

少年院で教育を受け、出院後に更生した生活を送るのではなく、「社会に戻って初めて本番がはじまる」のだ。

 

本当にこのとおりなんでしょうね。

 

少女たちが少年院で変わったとしても、家族を含めて、周りの人たちや取り巻く環境も変わらないと、なかなかいい方に変わった状態を維持するのは難しいんだろうなと思います。

 

非行に限らず、うちの子の悩みである不登校についても、親や周りが変わり、環境を整えることが大事なんだろうなと思います。

 

私自身、非行や犯罪を犯した人と同じ社会で生きていくにあたって、具体的にどうすればいいのかは分かりません。

 

でも、非行・犯罪に限らず、就職氷河期で就労経験がつめなかった人も、不登校だった子も、ひきこもっていた人も、何歳からでもやり直せる社会だったらいいなと思います。

 

 

 

今回は長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

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